2024.06.15
今回はここ最近心に残り、考えることが増えたお金の話を書き留めたいと思います。
前回展示をした時に、何人かの方から「安くない?」という声をかけていただきました。
それはとても良い言葉としてです。
もちろん金額としては安くはないのですが、この労力がかかっていて、これは安くない?という意味で、私にとってとても嬉しい言葉です。
ジャンルは違えどものづくりをしている大好きな友人と度々、値付けって難しい、という話をします。
本当に難しいと痛感しています。
というのも、原型やパーツもほとんどを自分たちで作るので、手間と時間が多くかかり原価というものの設定が難しいのです。
技術代、手間代、というのは価値を自分で金額に置き換えることで、つまりは自分で作品に価値をつけるということです。
時給換算出来ればスムーズなのですが、完成するまでの紆余曲折があるので時間で考えるのも一筋縄ではいきません。
そして、私の目指すものづくりは手に取りにくすぎるものではなく、どちらかというと困った時に気軽に相談できる街の彫金屋さんのような身近な存在でありたいと想っています。
とても手間も時間もかかるから、大変だから、高くしよう、というのはなんだか私にとってはずっとピンと来なくて、何故だろうと作りながら考えていたら、今の私の環境にありました。
私が美術大学に行くことを支えてくれた両親、彫金道具を揃える時にお金を貸してくれた母。
技術だけでなく身に纏うものを作ることへの配慮、こだわり、心意気を惜しげもなく伝えてくれた彫金の師匠達。
そもそも何かを世に出すことは、何故ものをつくるのか、という概念的なことを伝え、考えさせ、育ててくれた大学時代の恩師達。
アトリエを作ることに躊躇いなく賛成して、共にものづくりをしてくれる夫、そしてまだまだ未熟な頃から作品を買って応援してくれる友人達や、新しいお客様との出会い。
書き切ることが出来ない程沢山の人に支えられて今もこうしてものづくりを続けられていることは、私だけのものづくりでは絶対にないと強く思うのです。
私が自分の労働と作品に対して高い金額を付けないことは、まだ上手く言葉は見つかっていないのですが、近い言葉だと恩返し、に当たるのかなと思っています。
今の環境に対する恩返し、感謝を込めて。
私が納得できる金額、というのを目安に価格をつけています。
もちろん金属を使うので相場の変動にはやられますが、これからもこの気持ちでものづくりを続けたいです。
少し長くなりましたが、お金、というのはとっても大事なもので、作品を売ることとは切っても切れないことなので投稿してみました。
私達のものづくりがこれからも周りの人との大切なコミニケーションであれますように。